①問い・アイデア・疑問(探究の概要・タネ)
どうしたらエレベーターの混雑を解消し、待ち時間をより短縮することができるのか?
買い物に行った時に移動するため、エレベーターを待っていたけれどなかなか来なかったが、急に2,3台あるエレベーターがほぼ同時に来たので、なんで全部同時に来るんだろう?と疑問におもった。
また、身軽な人が先に入ってしまったことで動きのゆっくりなお年寄りやベビーカーの人が乗ることができない状況を見た時は、本当に必要な人が優先されていないことに違和感を覚えた。
②【Vision】問い・アイデアの詳細と魅力(○○な想いから××を実現したい/○○に課題を感じ××解決したい/○○な環境・カルチャー・世界を創っていきたい、など)
エレベーターの待ち時間の軽減や、満員による見送りなどのストレスを少なくしたい。
病院など時間の影響が大きくて1秒1秒が大切な場所でスムーズに移動ができるようにしたい。
ショッピングモールなどでモニターを外に設置してお店の情報や流行りのものを映し出し、待ち時間のストレスを少しでも軽減する。
また、複数のエレベーターを連携させることで建物内の移動をよりスムーズにする。
③【Mission】実現に必要なことは?(モノ/コト/活動/サービス等)
AIによって待ち時間・移動時間を減らすこと。
例えば、利用者の人数、行き先階、時間帯ごとの利用傾向などのデータをAIが学習・分析し、最も効率のよいエレベーターの動かし方を自動で判断するシステムをつくる。
また、AIロボットが案内をし、スムーズに乗り降りをできるようにする。
④【Value】誰にどのようなメリット・利益を届けられる?
利用者にストレス軽減、移動時間の短縮などのメリットがある。
また、管理会社に稼働効率の最適化による消費電力の削減などの利益を届けられる。
お年寄りや子連れの人、荷物が多い人など、本当に必要な人が優先的に乗ることが出来る。
⑤【Hint/Research】関連しそうな企業・大学・ヒト・モノを探してメモしよう!
中部抵抗器株式会社
三菱電機ビルソルーションズ株式会社
フジテック株式会社
株式会社日立ビルシステム
コメント
エレベーターメーカーで、人間工学の視点から製品を研究開発しているチームの担当者です。
日常の何気ない違和感から、とても深く、思いやりのある探究をされていて素晴らしいと思います。
コメントさせていただきますので、ご参考いただければ嬉しいです。
「なんで複数台が同時に来るんだろう?」「本当に必要な人が乗れていない」という日常の観察力がとても鋭いと思います。
私たちも車いす専用ボタンの設置やタグなどでの認識などの工夫をしていますが、「優先すべき人にどう乗ってもらうか」は今も大きな課題であり、まさに日々向き合っているテーマです。
難しい点は、一見して優先すべき人かどうか判断しにくい場合もあることですよね。
車いすや杖などの使用者は分かりやすいですが、例えば義足の方、妊婦(初期)の方、視覚障害の方などなど、見た目での判断が難しいです。
エレベーター側が判断するのか、自己申告してもらうのか、「本当に必要な人、優先すべき人」の判断方法や、多様な人がいるという視点で見るとまた新たな課題が見つかりそうですね。
エレベーターの運行制御について、普段多く触れる機会があるのは、押された階に停まりながら動いていくエレベーターだと思います。タイミングによっては、複数のエレベーターが同時に来ることもあるでしょう。
一方、高層ビルのオフィスなどでは、乗り場で上下ボタンではなく、何階に行きたいかを選択するものもあり、複数のエレベーターから一番効率が良いエレベーターが指定されます。(当社ではFLEX-NXという群管理システムの中で、『EZSHUTTLE』という機能名称で展開しています。)
このように、エレベーターの制御方法の種類や違いに着目して、現状から不足点を探すことも良いかもしれません。
テーマである、「エレベーターの利用者を効率よく運ぶ」という点においては、エレベーターの待ち時間問題は重要ですね。
AIなどを使用した運行制御は、実際の商品にもあり、改善していくべき技術ですよね。
私たちが開発している「FLEX-NX」というシステムでは、単なる効率だけでなく、「長待ち率」といった『人の感覚(どれくらい待たされるとストレスを感じるか)』や「一度に乗せる人数」による『人の感じ方(窮屈だ)』など人間の感覚を一部採用して、人の気持ちにも寄り添った運行制御を行っています。
AIロボットの案内も、人と機械のギャップを埋める素敵なアイデアですね。
モニターを設置して待ち時間のストレスを減らすアイデアも有効だと思いますし、「実際の時間」と「心理的な待ち時間(人が体感する長さ)」は違うと言われており、気を紛らわせたり安心感を与えたりすることでストレスを軽減するのは、非常に効果的なアプローチです。
最後に、利用者だけでなく、管理会社へのメリット(消費電力削減など)まで考えられている視野の広さは素晴らしいです。
関わる人全員がハッピーになる仕組みづくりですね。
着目されている点はどれも素晴らしい視点だと思いますので、エレベーターの運行効率の中に、人の多様性や心理的な対策を含められるとより快適に使用できる良い移動手段になるのではないかと思います。
例えば、見た目で判断しづらい優先者の方々に気兼ねなく乗ってもらうために、どのようなサインや仕組みがあると良いと思いますか?ぜひこれからも探究を続けてみてください。