①問い・アイデア・疑問(探究の概要・タネ)
私は将来、福祉の分野で働きたいと考えている中で、メタバースを活用した支援の取り組みに興味を持ちました。メタバースとは、インターネット上にある仮想空間で、アバターを使って人と交流できる場のことです。顔や本名を出さずに参加できるため、人との関わりに不安を感じる人でも利用しやすいです。
そこで私は、対面の場に出ることが難しい人にとって、メタバースの空間が新しい居場所になりうるのではないかと考えました。
②【Vision】問い・アイデアの詳細と魅力(○○な想いから××を実現したい/○○に課題を感じ××解決したい/○○な環境・カルチャー・世界を創っていきたい、など)
今、日本では不登校の人が増え、社会に出ることが難しい人も多くなっています。人と関わることに不安を感じ、現実の場ではつながりにくい人がいることが課題だと思いました。そこで、顔や名前を出さずに参加できるメタバースについて調べたいと考えました。誰もが健康で安心して、自分のペースで誰かとつながれる社会を築いていきたいです。
③【Mission】実現に必要なことは?(モノ/コト/活動/サービス等)
今はスマホやタブレットを持っている人が多く、メタバースは利用しやすい環境だと思います。しかし、メタバースでの支援を知っている人はまだ多くありません。そこで、SNSで活動を広めたり、学校での出前授業などを通して、子どもの頃からこのような支援があることを知ってもらうことが大切だと思います。
④【Value】誰にどのようなメリット・利益を届けられる?
この取り組みは、これまで支援につながることに不安を感じていた人にとって、安心して利用できる新しい仕組みだと感じました。直接会わなくても、自分のペースで人と関われるところが大きな特徴だと思います。ただ、実際に人と会って関わることも大切なので、そのような支援と併用していくことが大事だと感じました。また、これまで支援や情報が届きにくかった人にも伝えられる、新しい方法として効果的な取り組みだと思いました。
⑤【Hint/Research】関連しそうな企業・大学・ヒト・モノを探してメモしよう!
今回の探究では、名古屋市が行っている「名古屋ひきこもりメタバースゆるリリンク」について調べました。現在では、このようなメタバースを活用した支援は名古屋市だけでなく、他の自治体でも行われています。名前や取り組みの内容は地域によって少しずつ違いますが、メタバースを支援の一つの方法として活用しようとする動きが広がっていることがわかりました。

⑥どのような社会実装が想定されるか?
将来、メタバースは対面や通話と並ぶ新しい支援の形として広がっていく可能性があると感じました。一方で、今のところ利用している人はまだ多いとは言えず、十分に知られていない取り組みでもあると思います。
また、働く世代の人が社会に出られない状況は、本人だけでなく家族にとっても大きな負担になり、社会全体にとっても課題だと感じました。そうした人たちが少しずつ社会とつながっていくために、IT技術が発達した今だからこそ、メタバースは福祉の可能性を広げる一つの方法になるのではないかと考えました。私は、メタバースは新しい居場所になりうるものだと思います。
⑦ゆるリリンクに質問をさせていただきました
1.ゆるリリンクで行われている、メタバースを活用した支援の取り組みを始めたきっかけを教えてください。
A.令和5年度に実施した「名古屋市 生活状況に関する調査」において、名古屋市でのひきこもり状態にある方が推計で約22,600人という結果となったところ、ひきこもり地域支援センターの開設当初から令和5年度までの新規来所相談者数は約1,100人にとどまっており、多くの人が相談につながっていないことがわかりました。そこで、新たな支援経路や広報手段の一つとして、アバターを使用することで交流すること等の心理的ハードルが下げられるメタバース空間を構築し、取り組みを始めました。
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2.利用者の方は、ご自身で作成したアバターを使って、メタバースの空間に入るのでしょうか。
A.いくつかのアバターが用意されており、お好みのアバターをご使用いただけます。服の色のカスタマイズなどもすることができます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3.相談内容によっては、他の行政サービスや支援機関につなげることもあるのでしょうか。
A.他の自治体のメタバースでは相談業務を行っていることがありますが、ゆるリリンクでは相談業務を行っていません。市のひきこもりに関する支援情報などを紹介している「広報空間」と、ひきこもりで悩んでいる方が集まって交流するスペースである「交流空間」を運用しています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4.相談をする際は、事前に予約が必要なのでしょうか。また、相談時間は決まっているのでしょうか。A.「交流空間」は事前に予約が必要です。お申込みいただいた方へ、そのURLを知らなければ参加することのできない「交流空間」のURLを送付しています。この「交流空間」は、第2,4木曜日の午後1時から午後5時まで(祝休日及び年末年始除く)開いています。なお、「広報空間」は常時入ることができます。また「交流空間」の開催時間には支援員が常駐しており、この支援員がファシリテーターとなって空間の運用を行っています。この支援員は、ひきこもり地域支援センター金山の職員が勤めています。ほぼ毎回テーマ決めた対話をしており、2025年11月には、「プロと見るゲームの世界」、「「生きづらさ」と「働くこと」について話すつどい/テーマ『「就労選択支援」ってなんだ??』」、「動物言語学の世界|シジュウカラの言葉を聴く」、「メタバースで異郷を旅する-モンゴル編-」、「コミュ障でも話したい:テーマ「雑談が苦手」」などのテーマがありました。ーーーーーーーーーー
ーーーーーー5.利用者の方は、何回でも無料で利用することができるのでしょうか。A.何回でも無料で利用することができます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6. 2024年11月14日に開始されたとのことですが、これまでにどのくらいの方が利用されたのでしょうか。A.R6(11月~3月)広報空間アクセス数1,273、交流空間アクセス数240、R7(4月~1月末まで)広報空間アクセス数 900 交流空間アクセス数395、交流空間参加者数 R6(11月~3月)延べ34名 R7(4月~12月末まで) 延べ132名ーーーーーーーーーーーーー
7.メタバースを使った支援を行う中で、難しいと感じている点があれば教えてください。A.新たな支援経路や広報手段の一つとして取り組みを始めましたが、メタバースだからこそ新たにつながれた方がいるかというと、(明確にはわからないのが実態ですが)多くないのではないかという印象です。また、メタバースで行うひきこもり支援が近年初めて始まったという点で難しさを感じています。つまり、現在は多くの自治体でメタバースを活用したひきこもり支援を行うようになってきましたが、明確な答えが用意されているわけではなく、対面、電話、オンライン通話ツール、ウェブサイト等とは違う、メタバースだからこその意義はどこにあるのか、実際に携わりながら模索をしている感覚があります。
⑧実際に広報空間に入ってみて感じたこと
実際に広報空間に入ってみると、支援を行っている団体の所在地や活動内容などを知ることができるようになっていました。また、イベント情報の発信や、社会に出るための知識を身につけるセミナーなども紹介されていました。さらに、家族向けの情報や、生活に困っている人への相談・支援、仕事を探すためのサポートなどの情報もありました。メタバースの空間の中でこのような情報を知ることができるのは、とてもわかりやすく、支援につながるきっかけになるのではないかと感じました。
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